2012/11/07

かわいい子は旅に出よう(後編)




「旅」をテーマにした対話型のイベントが11月11日に開催されます。
その告知とともに「旅」をテーマにつらつらと書いてみました。


前編で自分探しで旅に出る意味について少し書きましたが、
後編では、旅に出る事で身に付く力について書いてみます。

旅に出る事で身に付く力

スタンフォード大学の学者クランボルツが提唱する「計画された偶発性理論(Planned Happenstance Theory)」

簡単に説明すると、
予期せぬ出来事が個人のキャリアを左右する。その予期せぬ出来事を避けるのではなく、
起きたことを最大限に活用する。そして偶然を積極的につくりだし、キャリア形成の力にするという理論です。

そういった出来事(偶然)を計画的に引き寄せるスキルが以下になります。

  • 1.好奇心[Curiosity]   
  • 2.持続性[Persistence]    
  • 3.柔軟性[Flexibility]       
  • 4.楽観性[Optimism]       
  • 5.冒険心[Risk Taking]   

これらのスキルセットを持って一人旅で起こる偶然の出来事を最大限に活用すると、
想像もしていないところへ自分の人生を運んでいける可能性が高くなります。

不確実性の高いこの時代は、ある意味一人旅をすることと似ている気がします。
自分の好きな人とだけのグループ旅行で、予定通りのバスや飛行機に乗り、
決まったルートを観光してブランド品を買って帰る時代ではなくなりました。
行き先がどこになるかも分からない、バスや電車も予定通りに来ない、
時には乗った船が沈没する事も起こりえる、そんな予測不能の時代だと思います。

だからこそ、予め誰かに決められた目的地ではなく、自分で目的地を決める必要がある。
そして、一度決めたルートに固執するのではなく、偶然の出会いや出来事を大事にして軌道修正しながら目的地へ向かう。

旅に出ることで、偶然を大事にしサバイブする力を身に付ける事ができる。

僕のアジア旅の例

2007年の秋に大学を卒業してから約半年間、東アジア中心に数カ国一人旅をしました。
最初に決めていたのは回る国くらいで具体的にどこそこという目的地を定めたわけではもありませんでした。国によって興味は異なるだろうし学びたい事も異なります。

目的地を決めて旅程までを決めてしまう事は、偶然を排除してしまう事になり。
人との出会いや宿の旅人との情報交換で行き先が変わる事もあれば行く方法も変わります。
帰国日もお財布事情とスケジュール(入社日に間に合うか)の間で折り合いをつけて決めるくらいのおおざっぱな感じでした。

1ヶ月程いた韓国では、日本からは飛行機ではなくフェリーを選択。
船上での出会いによっては、入国後の楽しみ方が変わると思ったからです。
飛行機のような固定された席で短時間なフライトだと、横の人と仲良くなる暇もありません。幸いフェリーだと大阪から釜山まで約18時間。たっぷり時間があります。

そこで出会った歳の近そうな韓国人の男性と仲良くなり、一緒に来ていたお父さんを紹介され、釜山到着後に彼のご家族が待つご自宅にお邪魔し、ランチを頂くことになりました。
その後、彼の友人を何人も紹介してもらい、ガイドブックいらずの滞在を楽しめました。

上の例は交通手段をフェリーにする事でおきた偶然がきっかけでしたが、宿泊先もホテルではなくゲストハウス(安宿)のドミトリー(相部屋)なんかに宿泊すれば、そういった偶然が起こる可能性は高くなります。

偶然との出会いは、一人旅をエキサイティングでプライスレスな経験に変えます。

偶然の正体と出会い方

では、今回のエントリーで書いてきたこの「偶然」とはそもそも何なのでしょうか?

答えは一つではないと思いますが、
旅を絡めていうと「人との出会い」が鍵になっている気がします。

ある人との出会いで、何かが変わるというのは、旅でも人生でも同じです。
人との出会いが先ほどの偶然性を引き寄せる鍵だとすれば、外国にいようが日本にいようが、偶然と出会う事は可能です。

冒頭でもお伝えしたとおり11月11日のイベントは、そんな偶然に簡単に出会える素敵な催しになると思います。連日ミーティングを重ねて当日の準備に備えています。

京都新聞の朝刊に掲載されました

自分の人生を軌道修正するような偶然を引き寄せたい方は、是非旅daysへご参加下さい。

少し中身のお話をすると、個人的に楽しみなのは、「旅×起業」のテーマです。
「みんなで旅をつくる、新ソーシャル旅行サービス」trippiece代表(現役大学生)を招き、
旅をした後から起業までのエピソードなどを主にお話してもらいます。

最後に、そういった旅の偶然から目的を見つけた方の著書のご紹介。
著者のジョンウッド氏もきっとそういう偶然で人生を軌道修正した人だと思います。
旅先の偶然から導かれるように、ソーシャルアクションを起こしていく作品。
ビジネス書としての要素もあるので、読み応えたっぷのお薦め一冊です。

いい本との出会いも、いい人との出会いと同じくらい大事ですね。