2012/09/03

脱東京し海外や地方で働く3つのメリット




先日、上海でフリーランスのWEBデザイナーとして働く方とお茶をした。(ブログを読んで興味を持ってくれたというのが嬉しいw)

お互い東京で4年程働いた後に、海外(上海)地方(京都)へ住む場所を変え、働き方を変えたという意味では似たような境遇だった。

そんな彼と『海外や地方で働くこと』の意見交換ができた。一見すると、海外と地方で外と内に矢印が逆に向いているが、意外とメリットの点で共通する事があったのでまとめてみようと思う。

共通する3つのメリット

①生活コストが低い

②市場価値を見出しやすい

③ユニークな経験を積める


メリット①生活コストが低い

上海の生活で最も驚いたのが、家賃の安さだ。

・家賃:5万円
・間取り:3LDK

二人でシェアをしているという事だが、1人2万5千円は魅力だ。

一方、京都(中心街)での家賃だが、

・家賃:6万8千円
・間取り:1DK

上海の家賃に比べれば、正直インパクトが薄いが、東京(品川周辺)では同じ間取りで、約10万円程払っていたと思うと随分安い。

その他、地方暮らしの貯蓄メリットでは、こんな記事もあった。

上の記事に自分の例で補足すると、実家や祖父母などから、野菜やお米を貰ったりという事もあったり、在宅勤務に切り替えるなどで外食が減った事や、定時で帰社する日は家で料理ができるようになった事などで、食費全般のコストを下げれるようになった。

いずれにしても総じて、海外であれば食費は抑えれる事が多く、食住に関してはコストを抑えれる事が多いのではないだろうか。
アジアの屋台であれば数百円あれば十分飲み食いできる。




メリット②市場価値を見出しやすい

市場価値が、需要(仕事)と供給(人材)の関係で決定されるとした時、需要がそこにあれば、東京みたいな供給過多な所よりも、むしろ採用される可能性は、高くなるのではないだろうか。

海外の場合>
・成長市場が多く需要過多である為、人材が不足しており流動的で転職し易い。
・Webデザイナーは沢山いても、Webデザインができて日本語を話せる人は少ない。

地方の場合>
・需要(仕事)は東京に比べれば少なく、同時に供給(人材)も少ない。

この字面だけ追うと、非常にネガティブになってしまうが、決してそうではない。ある一定の経験やスペシャリティを持ち、少ない需要(仕事)もキャッチアップできる人脈やネットワークがあれば、供給(人材)も少ないので、実は採用され易い場合がある。
 
VCから地方の企業に転職し、取締役をしている友人がいるが、彼自身は優秀な経歴だけれども、東京の大手企業へ転職していたとしたら、もしかしたら同じ位のキャリアを積んでいるライバルは、多く存在し苦戦していたかもしれない。

・需要(仕事)を作り出すチャンスがある。
海外の場合>
シンガポールでエクステ専用サロンを開業し、予約がなかなか取れない人気店になっているというような話が、今月号のクーリエに掲載されていた。日本には当たり前のようにあるものをない場所へ展開していく事で、仕事を作り出している好例といえる。

地方の場合>
海土町での取り組みや、四国での葉っぱビジネスなどがある。ちょっとしたアイデアで地方の眠れる資源を活用し、仕事を作っていくことが注目されている。




メリット③ユニークな経験が積める

上海の彼の話を聞くと、日本企業の駐在員の人達が多くいる地域は、それぞれの日本人コミュニティーの会合やパーティーなどの集まりがあるらしく、そういった所では日本では、お目にかかることのないような企業のトップや経歴の持ち主に、会えてしまう場があるらしい。

おそらく日本人というだけで珍しがられる国や地域もまだまだあるだろうし、その国や地域の独自のネットワークやコミュニティに入れてもらえるなんていう事もある。そういえば大学時代の友人は北欧の携帯キャリアのCMに演出兼役者として出演していた。
 
地方でもまた同じく、若者というだけで珍しがられる事もある(京都では学生が多くそんな事はないが)そういった付き合いの中で、地元の人しか知らない場所や、その筋の業界人に出会うことがある。



働く場所について思うこと
 
以上3つのメリットは、2人の対話の中から気づいた事だが、彼の発言で非常に印象的だったのが、以下の言葉だ。

「誰もしていない所で、それ(仕事)をする事はリスクが低い」

僕なり噛み砕いて補足すると、

・生活コストを抑えることができる
・競合する相手が少ないので、仕事を得ることができる
・未成熟な市場の場合は、仕事を作りだすことができる
・ニッチな経験や人脈を得ることができる

といったところだろうか。

もし仮に、都市の仕事を海外や地方に持っていくことができるなら、少し位の報酬を落としたとしても、レバレッジが効くので、チャレンジしてみる価値はあるのではないだろうか。

文末で紹介する雑誌のように、どこで働くかが重視される傾向があるけれども、どこの場所で働く事がいいというのは、個人の価値観に根ざしたものであるし、一般化してどちらが絶対いいなんて事はない。

それぞれの価値観やライフスタイルに合わせた暮らし方や働き方を、自ら考えて作っていくことが大事だと思う。

例えば、前職の上司は、熱海に生活拠点をおいて新宿に通っていた(現在は拠点を海外に移し、仕事は東京で行っている)。他にも、週末だけ田舎にシェアハウスを友人達と一緒に借りて暮らすという事を実践している友人などもいる。

単に海外がいいですか?地方がいいですか?という二者択一といった枠ではなく、「第三の選択肢」やそれらの「両立の道」の可能性を見出していく事が、より選択肢を広げた生き方ができるように思えるし、何より自由だ。

ちょうどタイムリーな事に今月号のクーリエで「海外で働く事」の特集がされており、本日発刊のターンズはメインタイトルが「地方に行って働こう!」なので、気になる方はお手に取ってみてはいかがだろうか。

※ターンズのみ前号のリンクになりますのでご注意下さい。