6月になりました。2012年も折り返しです。
そんな節目にはちょうどいいので、ひとまず近況報告を。
今年の4月末で前職を退職して京都に戻ってきました。
どうして退職したの?とか今後何をしていくの?
と聞かれる中で、今後の動きがまとまってきたので、ご報告させてもらいます。
また、それと同時に実験的な働き方の共有をさせて頂き、そういうのもありかも、という一つのサンプルとして面白がってもらえれば嬉しいです。
書いてる間に想像以上に長くなりましたが、以下の構成です。
■不満のない会社を辞める本当の理由
■フリーランスになるのが厳しい普通の会社員
■普通の会社員の3つの選択肢
■フリーランスと会社員の間みたいな働き方
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■不満のない会社を辞める本当の理由
前職の会社は4年間勤めておりましたが、今さら嫌になった。という事ではないです。
まず、僕自身がどんな仕事をしていたかと言うと、 ざっくりですが、人と企業を繋げる仕事をしていました。
もちろん綺麗事ばかりではいかない事もありましたが、 双方に喜ばれるようなマッチングができる事もあり、 やりがいのある仕事内容だったと思います。
社風的には合っているか疑問視される事もありましたが、 社内用語であったコアバリュー(大事な価値観)は合っていたと思います。周りの部署の人や新卒の後輩達もいい人ばかりで居心地は非常に良かったです。
特に幸運だったのは、優秀な先輩の下、過ごせた事です。本気でぶつかってくるという意味で「遠慮がない」けれど、チーム全体や個人の事も気にかける「配慮のある」最高の上司でした。
と、まぁ「仕事内容」も「働く環境」にも特に不満はなく、 続けようと思えばいつまでも続けれる会社だったように思えます。
さて、本題です。
では何でそんな「不満のない」会社を離れることになったのか。
という事です。
プライベートな理由も含まれますが、
ここではあえて働き方について言及します。
端的に言うと、
一つの会社に縛られず、複数の仕事を掛け持つ働き方をする為です。
縛られると聞くと、誤解を招く可能性がありますが、決して前職の会社は個人の自由を拘束しているような職場環境ではありません。
お世話になっていた取締役は「契約社員で給与を下げてでも週2〜3の出勤にしてください」といった僕の舐めた発言に対しても否定的な姿勢ではなく、実現の為に一緒に考えてくれたり、自分の信じた道ならばと応援してくれるような会社でした。
もちろんその会社の中で、長く続ければチャンスを得れたかもしれませんが、色々なタイミングが重なって今回の決断となりました。ここで詳しくは触れません。
そういった働き方をしていきたいと思うようになった背景としては次の二点です。
①一つの会社でできる事の限界
②自分自身のキャリアについての危機感
一つの会社でできる事の限界は、
例えばクライアント本位の提案をしようと突き詰めていけば、自社以外の選択肢があっていいと思うのですが、どうしても自社の利益優先で考えてしまうと、なかなかそういった選択ができない事が多い事です。
自社以外の選択肢を選ぶ事でクライアントが成功するのであれば、結果的に自社への信頼獲得や次のビジネスチャンスは巡ってきます。
また市場のパイが限られているだけでなく縮小していく中では、クライアントの成功を他社と協力して導くという事こそ重要だと考えていましたが、スキルが足りない事と既存のビジネスモデルの中では、絵に書いた餅でした。
二つ目の、自分自身のキャリアについての危機感ですが、
これは同じような職種の方が共通して抱える悩みかもしれません。
それは転職市場においてのこの職種の市場価値がそれほど高くないという事です。ノウハウやHowToに個人がお金を払うという意識が米国などに比べると低いというのも影響しているのかもしれません。
そんな中、少しでも他の業務経験を積んでキャリアアップしたいという思いが強かったですが、そんな一個人のわがままに付き合う程、普通の会社は甘くありません。
しかしながら後で紹介する書籍のようなフリーエージェント社会が仮に到来した際には、その職種経験だけでは生き残れない可能性があるわけです。
働き方をシフトして実現したい事
•自社の利益追求だけでなくクライアントに貢献する事
•専門スキルをフリーランスとしてマネタイズしていく事
•経験した職種以外の業務経験を積んでいく事
複数の仕事を掛け持つ効用や一つの会社で働く事のリスクについては、以下の書籍に分かり易く書いてあるので、気になる方はご覧になってみて下さい。
■フリーランスになるのが厳しい普通の会社員
では、先述した働き方のシフトですが、3.11以降、顕著に働き方や生き方が見直される中、一つの大きな潮流として、上記の著書でも描かれる「フリーランス」だとか「ノマド」というような言葉が世間の耳目を集め、そんな人達が集まる「コワーキングスペース」のような場所が雨後の竹の子のように増え続けています。
では、社会の潮流がそうだからといって、普通の会社員が辞めたからフリーランスになれますか?ノマドとして働いていけますか?という問いに対しては、現状の感覚値ですが、おそらく厳しいと考えています。
ここでいう普通の会社員とは、そうです。僕の事です。
前職では、人のキャリアを云々言って仕事を紹介する立場でしたので、市場価値はわきまえている方だと思います。
現在フリーランスとして活躍されている方の多くは、おそらく以下の需給バランスが保たれている状態です。
市場ニーズ(需要) × 固有スキル(供給)
特に昨今のwebやIT業界の人材マーケットでは、明らかに需要過多な様相を呈しています。しかしながら、こういった固有スキルも常に新しいスキルや、技術を身につけなければ、盛者必衰というのが世の常ですし、中々厳しい環境です。
では自分自身のスキルや経験を棚卸しした際に、このような市場で価値提供できる固有スキルがあるかというと、現状はない為、厳しいといわざるを得ません。
またフリーランスになった場合は、税金とか保険とか色々とややこしいわけです。僕はこういった事が非常に苦手な人間です。そして先日、保険料を自分で払い込みをしましたが、会社が半額負担しているという事実は知っていましたが、いざ目の当たりにしてビビっている自分もいるわけです。
さらにネガティブな事を言うと、以下のような記事も記憶に新しいです。
他にも色々と、世間の厳しいご意見は検索すれば、沢山出て来るので興味のある方はググってみて下さい。
何かネガティブなコメントばかりになってしまいましたが、「フリーランス断固反対」とか「フリーランスになれない」というわけではなく、なろうと思えばなれるけれど、今のままでは厳しいよ。という事を自戒を込めて言いたかったわけです。
そして何よりも重要な事としては、 「ノマド」や「フリーランス」というのは「手段」や「状態」であって「目的」ではないという事。
①「自分はこんな事をしたい」という明確な「目的」や「ビジョン」があるのか?
②それを実現する為に「ノマド」や「フリーランス」という手段が適切なのか?
この順序で考えてみてはどうでしょうか?
①がない状態は、「公務員になりたい」と言ってるにも関わらず、「公務員になって何がしたいのか?」に全く応えられないようなものです。
ちなみに僕は「目的」や「ビジョン」は明確ですが、「手段」が適切かどうか?を色々な企業や人とお会いさせて頂いたり、プロジェクト単位でお手伝いしながら、模索しているような状態です。 
■普通の会社員の3つの選択肢
さてそんな中、先の①②をしっかりと把握した上で、普通の会社員がフリーランスのような働き方へシフトしていく為の僕なりの選択肢を書き出してみました。 皆さんはどのタイプでしょうか?
ハイリスク•ハイリターンなあなたは、
ハイリスク•ハイリターンなあなたは、
■一発奮起型
○○という目的があるから、とか○○というスキルがあるから、フリーランスになる!ではなく、フリーランスになる事によって、結果的に目的が見つかり、スキルを身につけていく。
《ONEPICEに例えると》
《ONEPICEに例えると》
「海賊王になる!」という目的すらないまま、「とりあえず海に出る!」と海へ出て冒険をしている際中に、たまたま海賊王を目指すキッカケと出会い、目的が見つかり、冒険の末に様々なスキルを見つけて行くようなタイプ。
石橋を叩いて渡りたいあなたは、
■スキルアップ特化型
■スキルアップ特化型
フリーランスとして特定のスキルが足りないという事で、そのスキルを身につける為に転職をする。自分の目的へは直接的に繋がらないけれど、そのスキルがないとできない事であれば、その準備期間として考える。
《ONEPICEに例えると》
ルフィが、レイリーの下で修行した2年間のようなものでしょうか。自分の船は2年間の停泊を余儀なくされますが、進路を進める為の力を身につける為の時間投資をするようなタイプ。
どちらも性に合わないあなたは、
どちらも性に合わないあなたは、
■二足のわらじ型
いわゆる副業のイメージです。一つの会社に籍は置きながらも、別の仕事を掛け持つ。掛け持つ仕事の割合は人それぞれであり、有給のものもあれば無給のものもある。またオンタイムにできる場合もあれば、オフタイムのみと限定される場合もあります。
《ONEPICEに例えると》
《ONEPICEに例えると》
初期のナミがアーロンの手下にいた時がそんな感じでしょうか(こじつけてます)
魚人海賊団の幹部と、海賊専門の泥棒の二足のわらじ状態です。海図を書くという点ではシナジー効果もあったのではないでしょうか。
ちなみに、上の3つの選択肢の補足になりますが、クラウドファンディングをはじめとするマイプロジェクト支援の仕組みも台頭してきており、コワーキングスペースなどでできる人脈などを駆使すれば、企業に属しながらでも何かを仕掛けていくような事は容易になりつつあります。
先輩や友人や知人もそういったカタチで資金を集めたり、社外とのコラボレーションしながらプロジェクトを進めているので参考までに、少しご紹介できればと思います。
StartUpWeekendで受賞後、独立するなんて事もできる。
クラウドファンディングを利用してプロジェクトをスタートさせる事もできる。
■フリーランスと会社員の間みたいな働き方
さて、本題に戻りまして、 僕はハイリスクを取ることもできませんし、やりたい事を待つ事もできない結果、 二足のわらじ型で働いていくという決断をしました。
現在、以下の3つの働き方で収入を得ながら、次の働き方についても模索し続けます。
一つ目は、会社員
とある中小企業の中途採用担当として、採用業務全般を任せて頂く事になりました。週2〜3日勤務。
二つ目は、業務委託
デザイン会社のワーキングスペースの立ち上げをしながら、 その会社の案件をプロジェクト単位ですが挑戦させてもらいます。週2日〜勤務。
三つ目は、フリーランス
キャリアコンサルタントとしての独立を視野にいれた勉強をしながら、 一部報酬を頂きながらクライアントのカウンセリングやコーチングをしています。
その他に、友人と一緒に行っている様々なプロジェクトを統括するような法人の立ち上げ準備をしていく予定です。
京都に帰ってきて早いもんで2ヶ月が経ち、振り返ると自分が思い描いていた働き方がカタチ作られてきたように思えます。 一人の力ではなく本当に色々なご縁に助けられながら、9割くらいは運なんじゃないかと思うくらいです。
なかでも友人の紹介でお会いできたデザイン会社の代表の方が「組織の為の個ではなく、個の為に組織を変えていくような組織」を目指している点で、非常に共感する事ができ、ご一緒させて頂くことができるようになりました。
僕自身も「自立した個人が共生するような組織」を目指していくような感覚は大事にしていきたいと考えています。
僕のキャリアコンサルタントとしての使命は、自分自身が実験的に働き方のロールモデルになりながら、将来的には同じような働き方を模索していく人達の支援ができるようになる事だと思っています。
自分の今の状況や考えを100%書けたわけでもなく、挙げの句の果てに、まとまりのない長文、駄文で見苦しい中、最後までご覧頂きましてありがとうございました。
読み返すとどうも薄っぺらい内容になっている気がしてならないですが、ここまで書いてしまったので公開します。
今後はもう少し深堀りした内容でお届けできるように努めます。
何はともあれ元気にやってますので、東京のシェアハウスの元同居人や友人、知人、会社の方々、京都に来る際はお声かけてください。
最後にフランスの諺ですが、今回の色々な機会を得る際に振り返って感じ入った言葉でしたのでシェアします。
機会が人を見捨てるよりも、人が機会を見捨てるほうが多い。
そうです。
僕らには意外に多くの選択肢があるはずです。